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人間なら大変。頭部に生殖器を持つ新種の魚

頭部に生殖器を持つ新種の魚
ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト 8月28日(火)18時19分配信

写真で見る珍しい魚


 頭部に生殖器を持つ新種の魚がベトナムで発見された。トウゴロウイワシ目、トウゴロウメダカ科に属し、学名は「Phallostethus cuulong」。同科の既知の21種は、口の下に交尾器官を持つ特殊な魚だ。Phallostethusは、ギリシャ語で“胸にペニス”の意味がある。

 今回見つかった新種のオスも、交尾時に腹ビレの骨格が変形した“プリアピウム”という交尾器官でメスの体を固定する。そして、メスの頭部にある泌尿生殖器の開口部に精子を注入する」と、ワシントンD.C.にあるスミソニアン国立自然史博物館の魚類担当学芸員リン・パレンティ(Lynne Parenti)氏は説明する。

 パレンティ氏は、この通称「男根魚」の別種が交尾している様子をシンガポールの研究所で観察したことがある。頭部で繋がったオスとメスがVの字になり、まるで小さなハサミが水槽内をせかせか泳いでいるようだったという。

 観賞魚として親しまれているグッピーを含め、多くの魚類は瞬時に交尾を完了するが、男根魚は長時間に及ぶと同氏は話す。

◆謎の魚類

 トウゴロウメダカの仲間と同様に、新種も2.5センチに満たない小型で、体色もほぼ透明だという。

 標本9匹は、メコン川流域にある水深の浅い河川のフィールド調査で発見された。男根魚が好む、沿岸部の汽水性河川である。

 この生息域は、数十年来の開発ラッシュで深刻な打撃を受けているが、男根魚は適応能力が非常に高く、環境の変化に柔軟に対応しているようだ。パレンティ氏によると、道路脇の水路で採集されたケースもあるという。「フィールド調査の対象として魅力の薄い場所柄もあり、関心を示す生物学者はほとんどいない」。

◆頭部に生殖器の理由

 頭部に生殖器を持つ理由は進化上の謎とされてきたが、解明の糸口はある。

 まず、トウゴロウメダカ科は体内受精タイプの魚種が多いグループに含まれている(魚類は一般的に体外で受精する)。この科のオスの多くは、体内受精に合わせた身体変形が見られるため、男根魚も同じように適応を果たしたと見るのが妥当だ。

 さらに、「頭部で結合した方が格段に効率が良い」とパレンティ氏は指摘する。メスの標本を調べたところ、精子が充満した卵管が見つかったという。受精がほぼすべての卵に行き渡る可能性が高い。

 生物分類で、トウゴロウメダカ科トウゴロウメダカ属としては、今回でやっと3種目の発見であり、「まだまだ不明点は多い」とパレンティ氏。「一見、可愛らしい小魚だが、身体の造りは非常に複雑。今回のフィールド調査の結果に期待して欲しい」とコメントしている。

 研究の詳細は、7月3日発行の「Zootaxa」誌に掲載されている。


http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120828-00000001-natiogeo-int

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